Dec 7, 2016
平和活動家のアン・ライト。世界を飛び歩き神出鬼没。29年間、米陸軍に勤務し退役したときは大佐。その後外交官としモンゴル、ソマリア、ニカラグアなど16年間、世界各地で活動しましたが、2003年、イラク戦争に抗議して辞職。沖縄にも何度か行っていて日本でもおなじみです。この秋にはWomen's Boatに乗船してガザに向かいましたがイスラエルに阻止されて拘置され帰国。またつい先日まで極寒のノースダコタ州スタンディングロックでの先住民のパイプライン建設反対支援に、他の退役軍人たちと共にはせさんじたばかりと、疲れをしらぬ活躍ぶりです。
そのアンの活動報告会が12月6日夜、ニューヨークで開かれました。Women's Boatはかつてのガザ支援船団の流れを汲む活動。イスラエルにより封鎖されているガザ、支援船は封鎖を破り封鎖に抗議すると共に、ガザ地区住民に食料・医薬品・建設資材を届けようとする試みで過去に何回か実施されましたが、毎回、イスラエルにより阻止され、2010年には軍による襲撃で死者を出す悲劇となりました。
Women's Boat to Gaza (WBG) は、船長も含め、全員が女性。9月半ばにスペインのバルセロナを13人が2艘の船で出航し、途中、数カ所で教育イベントを行いながらの3週間あまりの長旅でした。1艘が途中で故障したため、残りの1艘にぎゅう詰めになり、嵐や船酔いに苦しめられながら進んだのですが、ガザまで後50キロの地点で、イスラエル軍のお出迎えを受け、拘留の末、送還とあいなりました。
全員が女性。もちろん、非武装。身元も公表されていたため、イスラエル側も手荒なことはできません。以前の支援船団のときの重武装の兵士とは異なり、乗り込んできたのは女性兵士ばかり。戦闘服を着ず、武器も携帯せず、できるだけことを構えたくないらしいのがありありでした。兵士と1対1で話す機会をみつけたアンは、兵士だった自分の体験を述べ「国が間違ったことをするときには従ってはだめ」と語りかけたと言います。
拿捕ははじめから想定されたことでした。Women's Boat に参加したのは世界各国から来たさまざまな体験を積み肝のすわった女性たちばかり。それでもイスラエル兵士が乗り込んできたときパニックに陥らないよう、惨事をおこさないよう、ガザに近づくまで繰り返しトレーニングを積んだそうです。「どうせガザには着けない。つかまって送還されるだけ、無駄ではないか」という声があることを、もちろん、アンは知っています。それでもガザの住民に、「世界はあなた方のことを思っている、忘れてはいない」という希望を届けるため、ぜひまた試みたいと意欲をもやしています。
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