Dec 11, 2016 at the Dorothy Strelsin Theatre
ジャクリーン・ウェイド作・演出のオフオフの芝居『ブラック・パンサー・ウィメン』。語られることの少ない、パンサーの女性メンバーにフォーカスしています。ウェイド自身はパンサーとは縁がなく育ったけれど、リーダー格や普通のメンバーだった女性数人から話を聞き、実話を膨らませて芝居にしました。
アンジェラ・デイビスは実名で登場しますが、エレイン・ブラウンやキャスリーン・クリーバーは、誰のことだかはっきりわかる設定になのに、違う名前に変わっています。エルドリッジ・クリーバーやヒューイ・ニュートンなど男性群も登場しますが、男共は2人とも、すでに亡くなっていることもあり、概してカリカチュア的に書かれ描かれています。キャストは全員女性で、男性役も女性が演じます。
もろてを挙げてのパンサー賛歌でもなく、かといって内幕ぼくろで受けようというあこぎな姿勢でもなく、醜い場面、セクシュアリティの微妙な問題、内輪もめなども含め等身大に描いています。
ブラック・ライブズ・マターなどの勢いを得て、いまと当時をつなげて点検したいという姿勢は明らかです。上演後、短いディスカッションの時間が設けられましたが、パンサーのことをほとんど何も知らない人もいて、キング牧師系の公民権運動の物語とは違い、危険をはらむパンサーが何を考え、何を求めていたか、時代を超えて生かす作業が欠けていたんだなあ、と実感しました。
0 件のコメント:
コメントを投稿