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アメリカを熱狂させるスーパーボウル。プロフットボールリーグNFLが毎年2月の第1週目の日曜に開催する優勝決定戦ですが、毎年テレビスポーツ界の一大イベントになっており、51回目を迎えた今年もアメリカでテレビを持つ家の7割がチャンネルを合わせ、試合中の平均視聴者数は1億1130万人(ニールセン調べ)にも及びました。今年はテキサス州ヒューストンでの開催だったのでブッシュ・パパ老夫婦が登場したり、海外派遣されている兵士たちが映ったりでナショナル色濃厚なのはいつもながらとはいえ、げんなりです。
でも、面白かったのは番組に登場したCMです。スーパーボウルのCMは、フットボール興味ないけどCMだけは見るという人たちも大勢いて、広告業界の一大イベントであり、視聴者が多いことから広告出稿料金も破格。今年は、30秒につき500万ドル(約5.8億円)にも上りました。
面白いのは、このCM枠をスポンサーがどんなメッセージに使ったかです。フットボールのファンなんて、政治は嫌い、好きでもすっかりトランプ・ファンと一見、思ってしまいがちですが、多様な人たちに支持され、ものを買ってもらいたい企業です。皮肉を大盛りにして「斬新」とも呼べるけれど、あさはかな思い付きで弊害どっさりの方針と政策を次々と打ち出して、「アメリカとは何か?」を改めて問い、国を揺るがしているトランプ政権。スーパーボウルの広告は、人々のいま最大の関心をすくいあげて、企業がここまで!と思わせるほど、政治的・社会的色合いの濃いものになりました。