May 1, 2017
4月29日。首都ワシントンでの「気候マーチ」でデモクラシー・ナウ!のエイミー・グッドマンが、キャンディ・モセットを取材しました(5月1日放送分)。なんだかうれしくて、即、訳してしまいました。
デモ隊: 石油は飲めない!掘ったりするな!石油は飲めない!掘ったりするな!
エイミー・グッドマン: エイミー・グッドマンです。先住民のリーダー2人とご一緒しています。トム・トールドトゥース(Tom Goldtooth)は、「先住民環境ネットワーク(Indigenous Environmental Network)の創設者の一人です。キャンディ・モセット(Kandi Mossett)に先回合ったのは、ノースダコタの神聖な埋葬地でした。ダコタ・アクセス・パイプラインのガードマンたちが、地面を掘り返そうとしたため、先住民数百人がかけつけブルドーザーに帰れと要求しました。キャンディ、あの時は、ぞっとしました。緊迫の場面でしたね。
キャンディ・モセット: ええ。
エイミー・グッドマン: でもあの日、先住民たちは土地を掘り返そうとするブルドーザーを止めました。
キャンディ・モセット: その通りです。しかも、フェンスを破り倒し、現場に赴いてブルドーザーの前に立ちふさがったのは、女性たちでした。なぜって、重が大地を掘りかえすのを目にしたとき、痛みを身体で感じたからです。彼らは、3か所の聖地と埋葬地数カ所を破壊してしまいましたが、私たちはそれ以上の破壊が起きないよう彼らを止めました。さらに重要なことをお知らせしましょう。あのパイプラインには、まったく石油が流れていないんです。パイプライン会社が堀に装備を落としてパイプラインを破損させてしまったんです。パイプの10カ所に破損が生じました。誰も報じていませんけれど。[抗議者たちの]野営地撤去後に、パイプライン会社は自分たちの手でパイプラインを傷つけてしまったのです。スピリット[精霊]は、まだ私たちと共にいるんです。精霊が堀に向かって装備を押してくれたという気がしています。
エイミー・グッドマン: ノースダコタにいたあなたが、今日は首都ワシントンにいる。なぜですか?
キャンディ・モセット: できることはすべてやることが大事だと思うからです。できることはたくさんありますが、マーチはそのひとつです。一緒に集まって、雇用、そして気候正義を求める運動に携わっているのは、私たちだけではないと声をあげるのは、本当に良いことです。こうしたことを実行することが必要です。45代目[米大統領]に向かって、「私たちはあなたの政策に賛成していませんからね」と言うのです。「あなたが民衆の声に耳を傾けるまで、私たちはあなたの前から立ち去りません」と。再生可能なエネルギー、小規模な再生可能エネルギーという、ほかのやり方を求めている人たちの声を聞くよう、求めるのです。
エイミー・グッドマン: あなたの出身地は?
キャンディ・モセット: ノースダコタ、バッケン・シェールオイル地帯のまっただ中です。文字通り、死ぬほどフラッキングが行われています。ほんとに、死ぬほど。多くの赤ん坊が病気ですし、おばあちゃんたちも健康を害しています。もう、これ以上、我慢できません。ですから、ここに来て、抵抗のレッドラインをつきつけてるのです。
エイミー・グッドマン: 所属する部族の名は?
キャンディ・モセット: Mandan, Hidatsa, Arikara Nationsです。
エイミー・グッドマン: 最後にあなたに会ったのは、ダコタではなかった。そのあと、パリで会いましたね
キャンディ・モセット: 私たちの部族の女性の身に起きている虐待について、お話しました。それが、大地のレイプと虐待と抜き差しがたくつながっていることを。掘削産業が地域社会にやってくるとき、レイプと虐待が、女性の身にも起きるのです。人々はそのことを知るべきです。北半球だけではありません。私たちは、南半球のブラザーやシスターのことも声にします。私たちのシスター、ベルタの身に何が起きたか。水を守りたいと望んだだけで私たち女性たちが死ぬ、それを見過ごしにしてよいわけがない―そのメッセージを受け止めることが、大事です。立ち上がり続けること、私たちに連なる人たちのことを頭と心に刻み続けることが大切です。
エイミー・グッドマン: あなたが手にしているサインには、ホンジュラスの環境運動のリーダーだったベルタ・カセレスの名が記されています。自分の名が暗殺リストに載っていることを知りつつ、活動を続け、自宅で射殺されました。
キャンディ・モセット: その通りです。ベルタはこのように生き、そのスピリット(精霊)はいまも生き続けている。ベルタに出来たのだから植民地化されたここアメリカにいる私たちにも闘いを続けられないはずはないのです。私たちも、シスターとブラザーと共に立つ必要があります。
エイミー・グッドマン: ベルタ・カセレスに会ったことは?
キャンディ・モセット: 生前、お目にかかったことはありません。亡くなった後、ホンジュラスに行き、ご遺族やお友達に会い、彼女がどのように行き、何を遺したかを学びました。私の涙は、悲しいからではありません。ベルタのスピリットが生き続け、私たち大勢の女性に力を与えてくれたことがうれしくて、涙が出てしまいます。
エイミー・グッドマン: あなたのTシャツには、「神聖なものを守れ("Defend the Sacred.")」と書かれていますね。
キャンディ・モセット: 「神聖なものを守れ」。というのも、私たちが 信じるあらゆるもの、人として必要とするものすべて、それなしでは人がいきられない大気、水、土は、神聖だからです。常識が教えてくれます、「神聖なものを守れ」と。
エイミー・グッドマン: 今日は、誰と一緒に歩くのですか?
キャンディ・モセット: 私のご先祖たち、そして3歳の娘アリヤナと一緒に歩きます。一緒に来ています。娘にはまだマーチの意味を完全に理解することはできないでしょうが、 つまるところ、これは娘のためのマーチでなのですから。
2017年5月2日火曜日
2017年4月28日金曜日
はじめは5人だった―スタンディング・ロック たちあがった先住民の女性たち
April 27, 2017
心洗われる話を聞いた。スタンディング・ロックで闘った先住民の女性3人が、いずれも最後は涙になりながらも、その時の状況・思い、闘い続ける決意を真摯にわかちあってくれたのだ。そのひとり、ラコタのスタンディング・ロック族のブレンダ・ホワイト・ブル(Brenda White Bull)は、偉大な戦士シッティング・ブルの血を引いている。シッティング・ブルは、19世紀に、先住民を追い詰め土地を奪い殲滅しようとする白人の軍に対して先住民を率いて果敢に戦い、いまも先住民に勇気と誇りを与えている偉大な指導者だ。
Brenda White Bull from indigenous rising on Vimeo.
心洗われる話を聞いた。スタンディング・ロックで闘った先住民の女性3人が、いずれも最後は涙になりながらも、その時の状況・思い、闘い続ける決意を真摯にわかちあってくれたのだ。そのひとり、ラコタのスタンディング・ロック族のブレンダ・ホワイト・ブル(Brenda White Bull)は、偉大な戦士シッティング・ブルの血を引いている。シッティング・ブルは、19世紀に、先住民を追い詰め土地を奪い殲滅しようとする白人の軍に対して先住民を率いて果敢に戦い、いまも先住民に勇気と誇りを与えている偉大な指導者だ。
Brenda White Bull from indigenous rising on Vimeo.
2017年4月27日木曜日
ウィノラ・ラデューク 先住民の知恵で未来をつむぐ
April 25, 2017
ウィノナ・ラデュークは、アメリカ先住民の活動、特に環境正義を求める運動で大きな役割を果たしてきた人だ。ハーバード大学で開発経済学を学び、知的好奇心にあふれる一方、ミネソタ北部の先住民保留地で暮らし、大地をうやまい、命を大切にし、土地の産物を育て、自然と共に生きることで培われる叡智から多くを学ぶ。
2016年12月31日土曜日
闘いは続く ダコタ・アクセス・パイプライン建設反対への連帯が開く大きな可能性
Dec 31, 2016
ノースダコタ州の先住民スタンディングロック・スー族のパイプライン建設反対運動は、高江や辺野古の基地拡大反対運動につらなる非暴力不服従運動として語られることも多くなっています。
確かに多くのことが共通しています。先祖代々受け継がれてきた自然と土地を守りたい先住の人々、国や巨大ビジネスによる現地の人々の思いを無視した巨大な建設計画、計画が実現してしまうとその影響がその土地は現地周辺だけではなく遠く離れて暮らす大勢の人たちにも及ぶこと、建設のしわよせが選ばれてしまった一部の人たちだけに過重に押しつけられ、元から存在した差別が反対の声を聴かない要因のひとつになっていること、反対する市民活動に暴力的な取締や規制が課されていることなど、私自身、なんど、高江のことを思ったことでしょう。
現在、一時的な「勝利」が伝えられたものの次期大統領トランプの就任が決定的な試練を与える火種となると予測されているこの民衆運動の大きなうねりの現在と意義、ありうるかもしれない大きな可能性について大晦日を機にまとめてみました。
ノースダコタ州の先住民スタンディングロック・スー族のパイプライン建設反対運動は、高江や辺野古の基地拡大反対運動につらなる非暴力不服従運動として語られることも多くなっています。
確かに多くのことが共通しています。先祖代々受け継がれてきた自然と土地を守りたい先住の人々、国や巨大ビジネスによる現地の人々の思いを無視した巨大な建設計画、計画が実現してしまうとその影響がその土地は現地周辺だけではなく遠く離れて暮らす大勢の人たちにも及ぶこと、建設のしわよせが選ばれてしまった一部の人たちだけに過重に押しつけられ、元から存在した差別が反対の声を聴かない要因のひとつになっていること、反対する市民活動に暴力的な取締や規制が課されていることなど、私自身、なんど、高江のことを思ったことでしょう。
現在、一時的な「勝利」が伝えられたものの次期大統領トランプの就任が決定的な試練を与える火種となると予測されているこの民衆運動の大きなうねりの現在と意義、ありうるかもしれない大きな可能性について大晦日を機にまとめてみました。
先住民と共に スタンディング・ロックからの報告会
Dec 31, 2016
12月17日、「スタンディンロックからの報告会」(Reporting Back from Standing Rock)がNYで開かれました。独立系メディアDeep Dish TVが主催したこのイベントの全記録は、司会を務めたレベッカ・センテノが制作した記録映像でみられます。スピーカーは、「戦争に反対するイラク帰還兵(IVAW)」の共同代表マット・ハワード、独立メディアPaper Tiger などで活動するフィルムメーカーのジュリー・ルドウィグ、パレスチナに関する作品もつくってきた独立系フィルムメーカーのマット・ピーターソン、「水を守る人」の一員として野営地で運動のインフラや物流に関わってきたウィル・マンガーなど、ダコタ・アクセス・パイプライン建設反対の現場に赴いて生身の運動を見、体験してきた人たちでした。
高江や辺野古の運動の合わせ鏡として語られることも多い先住民の運動に、彼らは何を見たか? まとめてみました。
2016年12月23日金曜日
虐殺の次は洪水 スタンディング・ロック・スー族の苦難の歴史
Dec 23, 2016
ダコタ・アクセス・パイプライン建設反対は、地元先住民たちの苦渋の歴史と集団的記憶に支えられています。反対運動の拠点として設立された野営地スタンディング・ロック・スー族の「聖なる石(Sacred Stone)」キャンプで、デモクラシー・ナウ!のエイミー・グッドマンは、2016年9月3日、野営地の創設者の1人で、郷土史家のラドンナ・ブレーブブルブル・アラードを取材しました。153年前のその日、女子供も含めてラドンナの先祖は虐殺されたのです。
そしてその後、生き延びた人たちがどうにかして再び築き上げたコミュニティはダム建設計画によって水没させられ、部族は緑の乏しい高地の保留地へと追いやられました。
ダコタ・アクセス・パイプラインは、いまは私有地となっているスタンディング・ロック・ズー族の先祖の墓地であり聖なる場を通過します。また、パイプラインが地下を通過するオアヒ湖につながるミズーリ川は部族の大切な水源でもあります。
パイプライン建設の提案は4月に出されました。オアヒ湖周辺は、米陸軍工兵司令部の所有地ですが、先住民への相談もなく許可が出してしまいました。そのため、スタンディング・スー族は米陸軍工兵司令部を告訴し、判決が出るまで工事の差し止めを請求しました。
8月末に首都ワシントンで聴聞会が開かれ、9月初めに判決が出ましたが、先住民のかけがえのない聖地であるという言い分は物証が乏しいとし、先住民の提訴は却下されました。ただし、連邦政府の管轄が及ぶ米陸軍工兵司令部の保有地に関しては水の安全の見地からさらに検討を重ねるよう、その部分の工事の一時差し止めが認められました。
かけがえのない聖地であるという物証が乏しいという部分には、こんな事情があります。その地域が私有地になっていることもあり、考古学的な検証を行うのが容易ではなく、ようやく最近になって調査が開始されたばかりだったのです。ダコタ・アクセス・パイプラインは全長1200マイル(約1930 km)にもおよびさまざまな部族が暮らしていた地を通過します。9月末に、先住民たちが国連でパイプライン建設反対を訴えたときには、米国の1200人を超える考古学者、博物館長、歴史家たちが、先住民の遺産が破壊されるとして反対を支援する表明を行いました。
ラドンナ・ブレーブブルブル・アラードのインタビューが行われたのは、この判決が出る直前でした。判決を待たずに、建設会社はこれ以上の調査を不可能にするかのように聖なる土地にブルドーザーを入れ、破壊を開始しました。思いあまって「私有地」にはいり抗議しようとした人たちを、建設会社の警備員たちは暴徒扱いし、ペパースプレーをかけ、犬をけしかけたのです。この時の映像がソーシャルネットワークで広がり、反対運動は多くの人たちの知るところとなりました。
以下は、インタビューの抄訳です。
2016年12月22日木曜日
水は命―ダコタ・アクセス・パイプラインの命を揺さぶる反対運動
Dec 21, 2016
2016 年のアメリカは大統領選でとんでもない結果を出しましたが、勇気と希望を与えてくれるできごともありました。
ノースダコタ州の先住民によるダコタ・アクセス・パイプライン反対とそれを支持する人々の結集は、金と権力と「いま」しか眼中にない政治の時間軸に宇宙と地球、自然と生命というスピリチュアルな「祈り」の空間を対置させて大勢の人たちの心をつかみ、行動へと駆り立てました。
長年にわたり、政治的にも経済的にも社会的にもさんざんな目にあわされ、環境もインフラも破壊され続けてきた先住民が、「いつものこと」で終わらせずに、ここまで大きなうねりを作ることができたのは、なぜ? 1876年以来の規模で、各地に散らばる200近くの部族がスタンディング・ロック・スー族の抵抗の地に結集したのです。その背景には、オキュパイ以来よみがえった市民アクティビズムの水脈が環境運動を経てようやく先住民のアクティビズムにたどりついたという歴史的成果の他、神話の力が働いたという事情もあるようなのです。
ダコタ・アクセス・パイプラインに反対する人々は、自らを「水を守る人、大地を擁護する人」と呼んでいます。自分たちの土地は何世代も先の子孫たちからの預かり物であり、それを守るのがいま現世にある自分たちの役目だと考えるからです。
ガーディアン紙の8月29日付の記事にこんな記載がみられます。先祖の墓地や聖なる場所を破壊し、大切な水源を汚染する可能性があるパイプライン建設反対のためにキャンプしている「野営地で大勢の人たちからよく聴かされた、こんな話がある。1890年代にさかのぼる2つの神話だ。ブラック・エルク(黒いヘラジカ)という名の指導者が予言で、7世代後にアメリカの先住民ネーションが大地を救うために結集すると述べた、というのだ。もうひとつはズゼカ蛇(黒蛇)が世界を脅威に陥れるだろうという予言だ。野営地に集まった人たちは、このパイプラインこそ黒蛇だと考えている。自分たちがこの7世代目にあたり、運命の時が来たのだ、と」
パイプライン建設反対に「ただの」環境運動を超えた神話的出来事と位置づける人たちがいるのです。また、そこまでいかなくとも、「水は命(Water is Life)」ということばが先住民を超え、大勢の人々の心にしっとりとしみこんでいるのは間違いありません。
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