April 25, 2017
ウィノナ・ラデュークは、アメリカ先住民の活動、特に環境正義を求める運動で大きな役割を果たしてきた人だ。ハーバード大学で開発経済学を学び、知的好奇心にあふれる一方、ミネソタ北部の先住民保留地で暮らし、大地をうやまい、命を大切にし、土地の産物を育て、自然と共に生きることで培われる叡智から多くを学ぶ。
8年生くらいの学歴だった父親を、知性あふれる人だったと尊敬し、その父親から、「お前がいくらハーバードで学んでも、とうもろこしを立派に育てられなければ、何を言おうと聞く価値はないね」と言われ、そのことを肝にめいじて生きてきた。
先住民に対して国が押し付けてくる、軍事化や汚染・環境破壊に対し、環境正義を守るために果敢に闘いながら、消費経済、そして持続可能性を妨げる現代のエネルギーや食のありようを、先住民から受けついだ知恵をいかして変えていこうと、さまざまなプロジェクトに取り組んでいる。
先住民の土地を走る黒い蛇、パイプライン建設にも反対し、ノースダコタ州のスタンディング・ロックの闘いでも、運動のバックボーンのひとりとして、大きな役割をになった。先住民は、タフな状況に置かれ続けているが、未来へのビジョンがあるから絶望することはないという。先住民に集中的に浴びせかけられる環境をはじめとする不正義に現代社会の矛盾をみて、抵抗の先に、よりまっとうでより心豊かで、より良い暮らしの姿を打ち立てる。地域社会ぐるみでよりよく生きることが、ウィノナの闘いでもあるのだ。
自分では、アクティビストと呼ばれるより、「責任をはたす市民(responsible citizen)」という方がしっくりくるとも言う。
NY大学での講演が終わったあと、「ありがとう」を言いに行った。「ダコタ・パイプライン反対」「水は命」のサインをもった人たちの高江での集合写真をみせて「インスピレーションをありがとうございます」とお礼を言うと、連帯をちゃーんと知っててくれたようすで「ああ、沖縄!」と、大喜びしてくれた。
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