Oct 30, 2017
現在、島嶼作戦の演習が繰り広げられている自衛隊。奄美大島の市街地で警備態勢が取られ、今後は対馬でのように市街地で戦闘訓練が行われるようになる可能性も大らしい。そんな中、大分で演習中だった隊員1名の自死が報道されました。安倍政権による戦争ができる日本への強引なかじ取りにも拘わらず、自衛隊にはパワハラ、いじめが蔓延し、「死にたい、辞めたい」という声がもれ聞こえ、戦争どころではない状態のようです。
現在、島嶼作戦の演習が繰り広げられている自衛隊。奄美大島の市街地で警備態勢が取られ、今後は対馬でのように市街地で戦闘訓練が行われるようになる可能性も大らしい。そんな中、大分で演習中だった隊員1名の自死が報道されました。安倍政権による戦争ができる日本への強引なかじ取りにも拘わらず、自衛隊にはパワハラ、いじめが蔓延し、「死にたい、辞めたい」という声がもれ聞こえ、戦争どころではない状態のようです。
元反戦自衛官として、反戦に向けて精力的な活動を続けながら、「自衛官人権ホットライン」相談室を運営し隊員への人権抑圧への対処に貢献し、『自衛隊 この国営ブラック企業』の著書もある小西誠さん。ホットラインの掲示板には、隊員や家族の悲鳴のような書き込みが、続々と送られてきます。10月1日の京都での講演は、自衛隊の現場を身をもって体験し、現状も熟知なさっている小西さんならではの生々しいものでした。以下、かいつまんでまとめてみました。(文責:大竹秀子)
いじめ、パワハラ、自殺。この10年間で自衛隊員の家族からの裁判が急増し、現職自衛官による告発・裁判も始まっている。「自衛官人権ホットライン」相談室への相談で、最近、一番多い相談が、幹部自衛官からの相談。上級幹部から下級幹部へのパワハラ。
もうひとつは、辞めたいのに辞めさせない。一般隊員は2年、あるいは3年の任期制で、その間は辞めないと誓約して入隊するので、その間はなかなかやめられないが、それ以外の幹部クラスでも辞めたくても辞めさせない。引き止められてうつ状態になり、どうにもならなくなって相談室に相談してくる。
辞めさせない理由は、隊員の不足。特に海上自衛隊。海自は、ある意味で一番忙しい。ジブチに行ったり、湾岸に出ていったり。その他、演習で航海ばかりやっている。一番、人気がなく、定員も相当、割っている。
日米共同演習がすべての部隊に広がっているが、アメリカはずっと戦争をやり実戦体験をつんでおり、訓練が全然違う。米軍には頭があがらない。自衛隊は、たとえば通信など技術屋になれ、プロになれという教育をする。下士官層と幹部層が多くて任期制の一般隊員が減っている。部隊によっては一般隊員がはいってこない。下士官でもいつまでたってもお茶くみでいじめられる人がいっぱいいる。
いま、自衛隊の中が大変なストレス状態にある。原因は複合的。自衛隊の大再編が始まり、全国的な異動がおき、仕事も変わる。いままで戦車部隊だった人が急にミサイル部隊に配置など、仕事が変わり、勤務地も変わる。これから先島諸島への転任も間違いなく増える。家族が行きたがらないと単身赴任になる。そういう状態の中で非常に複合的な要因でストレス状態が蔓延している。