2016年12月22日木曜日

水は命―ダコタ・アクセス・パイプラインの命を揺さぶる反対運動


 Dec 21, 2016

2016 年のアメリカは大統領選でとんでもない結果を出しましたが、勇気と希望を与えてくれるできごともありました。

ノースダコタ州の先住民によるダコタ・アクセス・パイプライン反対とそれを支持する人々の結集は、金と権力と「いま」しか眼中にない政治の時間軸に宇宙と地球、自然と生命というスピリチュアルな「祈り」の空間を対置させて大勢の人たちの心をつかみ、行動へと駆り立てました。

長年にわたり、政治的にも経済的にも社会的にもさんざんな目にあわされ、環境もインフラも破壊され続けてきた先住民が、「いつものこと」で終わらせずに、ここまで大きなうねりを作ることができたのは、なぜ? 1876年以来の規模で、各地に散らばる200近くの部族がスタンディング・ロック・スー族の抵抗の地に結集したのです。その背景には、オキュパイ以来よみがえった市民アクティビズムの水脈が環境運動を経てようやく先住民のアクティビズムにたどりついたという歴史的成果の他、神話の力が働いたという事情もあるようなのです。

ダコタ・アクセス・パイプラインに反対する人々は、自らを「水を守る人、大地を擁護する人」と呼んでいます。自分たちの土地は何世代も先の子孫たちからの預かり物であり、それを守るのがいま現世にある自分たちの役目だと考えるからです。

ガーディアン紙829日付の記事にこんな記載がみられます。先祖の墓地や聖なる場所を破壊し、大切な水源を汚染する可能性があるパイプライン建設反対のためにキャンプしている「野営地で大勢の人たちからよく聴かされた、こんな話がある。1890年代にさかのぼる2つの神話だ。ブラック・エルク(黒いヘラジカ)という名の指導者が予言で、7世代後にアメリカの先住民ネーションが大地を救うために結集すると述べた、というのだ。もうひとつはズゼカ蛇(黒蛇)が世界を脅威に陥れるだろうという予言だ。野営地に集まった人たちは、このパイプラインこそ黒蛇だと考えている。自分たちがこの7世代目にあたり、運命の時が来たのだ、と」


パイプライン建設反対に「ただの」環境運動を超えた神話的出来事と位置づける人たちがいるのです。また、そこまでいかなくとも、「水は命(Water is Life)」ということばが先住民を超え、大勢の人々の心にしっとりとしみこんでいるのは間違いありません。

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