2017年2月6日月曜日

翁長沖縄県知事 ジョージワシントン大学で講演


2017年2月2日、沖縄の辺野古基地建設に向けて工事が重大な局面を迎え、またトランプ大統領と安倍首相の会談を目前にした時期、辺野古反対に関して上下両議員の理解を求めて訪米中の翁長沖縄県知事はジョージワシントン大学で講演を行いました。講演内容についてはすでに報道されていますが、質疑応答部分をできるだけ忠実に書き起こしておきます。安倍政権と米国の外交軍事政策にはさまれた苦境の中での知事のがんばりに声援を送ると共に、その動きは沖縄の人々、辺野古新基地に反対する人たちの悲願に応え、次の一歩へと共に進むあゆみを示しているのか?皆さんは、どうお考えでしょうか?(文責:大竹秀子)

質問(英語):トランプ大統領は、沖縄を道具として使おうとしている。安倍首相も対中国で米軍基地の拡大に賛成しているようだ。知事はこのチャレンジにどう対処するのか?沖縄の人たちはどう対抗できるのか?



翁長知事:トランプ大統領はどこに米国を、世界を引っ張っていこうとしているのか、世界中の人が注目しています。沖縄問題に関して言いますと、今日までの日米両政府はずっとなんの変化もないまま来ましたが、沖縄の基地はいまもういっぱいいっぱいでこれ以上、悪い方向になることはないと思いますので、大変変化が予測されるトランプ大統領にはぜひともいい方向で変化を(していただければと思います)。

私が米国の上下両院議員の方にお目にかかって話をしているのは、総理や米国がツールで使おうとしているという話がありましたけれども、昔は沖縄は抑止力として中国に近くて、特に嘉手納基地があり、普天間基地があって何かがあるときににらみを聞かすという風な状況でありましたけれども、いまはもう世の中が発展してきて、中国に近いというよりは近すぎて、中国からすると、軍事専門家の本では300のミサイルが沖縄に向かって発射されるような状況だと聞いています。

そうするといざ「抑止力」を発揮しようとするとどこを一番先に狙うかというと一番中国にとって脅威なのは、嘉手納と普天間じゃないですか。そうすると嘉手納と普天間にまずは飛んでまいります。ミサイルは1分以内で飛ぶと言っています。そうするといま沖縄県には米国人軍属が5万人、私は沖縄県人の命があぶないという話しはしませんでした。5万人の米国人軍属の命が一瞬にしてやられますよと。沖縄ではもうそういった抑止力は効かないんですよ。

だから、グアムに移し、ハワイに移し、サンフランシスコに移して何かの時にはまた沖縄や日本国に戻ってくることはありうる。沖縄にこれだけの兵力を置いておくということはジョセフ・ナイ先生がおっしゃったように卵をひとつのカゴの中におしこめると割れるよ、と。

そういう意味で米国も総理も考え方が間違っていると思います。ただ、残念ながら日本の歴代の総理は日本国民全体で国を守るという気概はもうないんですね。沖縄で守る、他の所では少し反対したらすぐ出て行きます。そういう状況がある中で私はいま日米両政府の沖縄のあり方を変えようということで昨日も8名の下院議員とお会いしましたし、今日、途中で退席するのもまた連邦議会で5名くらいの議員とお会いします。そういう状況であります。

質問(英語):いま、ハワイとグアムという話が出たが、いずれにも基地に反対する市民がおり、市民団体が活動している。知事は沖縄でいろいろ法的な手段で基地問題に対処しているが、グアムやハワイなどのそういった市民との提携にアプローチしたことはあるのか?ハワイやグアムの反対で沖縄に基地が残るということになると知事の戦略は複雑化してやりにくくなるのだろうか?

翁長知事:沖縄県の海兵隊の状況はどうなっているかといいますと、前は辺野古ができあがるのと普天間の閉鎖を待ってグアムに行くという話でしたが、これが3年ほど前にちゃらになりまして、それとは関係なくグアムの方に1000名、沖縄の海兵隊が移ることになっております。

それから、ハワイのイゲ知事は私と同じ2年半前に当選したわけですけれども、沖縄県出身なんですね。イゲ知事とはも5回くらいお話し合いをさせてもらっております。イゲ知事も当然、米国人でありますから、「日米両政府の決めることに私は賛成です」と。「ハワイにアメリカの海兵隊をたとえば3000名、もっていけといったら受け入れます」と。「受け入れるけれどもそれは政府が合意したときに受け入れるので、政府と関係なくハワイで受け入れるわけではありませんよ」と。

いま日米両政府はハワイにも3000名か2000名、移そうという話がありますので、そうしますと沖縄に残る海兵隊は1万人か1万人を切るということになる上に、ローテーションがあります。

軍人の数は沖縄には何の説明もありませんが、1000名、2000名規模でオーストラリアに行ったり、中東に行ったり、そういった訓練もしていますので実際上、海兵隊が何名いるかわからない中で、いま1万8000人いるという形になっております。

グアムの議員さんには去年お会いしましたけれども、来てもらいたいんですね、グアムの政府の側からすると。NPOとか平和団体は反対しています。しかし、グアムの政府はぜひとも来てほしい。また、ハワイは「日米両政府が合意をしたら間違いなく私が受けます」とこういう話を知事がされてますので、共闘するということは、それぞれニュアンスが違って難しいところがあります。



質問(英語):核汚染はじめ、基地による環境汚染への懸念についてコメントを。

翁長知事:沖縄が米国の施政権下にあったときは、私たちは憲法で守られていませんでしたから、米軍のしたい放題ですね。復帰後は私たちは民主主義国家のもとに帰ったわけだけれども、日米地位協定は環境問題については何にも日本国民に報告されないように、できております。去年、環境問題、放射能汚染もそうですけれども、それ以外にもたくさんの汚染、これを調査をさせてくれというのを、いままでは米国が理解をしてくれた時だけ許可をくれるという形だったんですね。何割ぐらいがはいれたかどうかよくわかりませんが、調査をすることは時々ありました。

ところが日米地位協定を変えてくれといったらこれが抜本的なものではなくて補則協定といってどういう風に変わったかというと、返還が決まった土地は7ヶ月前から調査していいですよ、と。

少しよさそうな感じがしますよね。よさそうな感じがするんだけれども、そのかわり、返還されない土地はよけい窮屈になっているんです。

いままでは、返還されない土地もいちおうは申し入れると何割かは、いいよ、調べなさいよ。いまは7ヶ月前に返還がきまったところは、調査する権利がある。逆に返還されないところはもっと厳しくなるようよというような条項がはいっているんです。

こういう難しい操作をするもんですから、補則協定ができたらものごとが前に進んだような感じがしますけれども、実際上は厳しい状況に沖縄はおかれております。

ですから、いまおっしゃるような汚染物質というのは、私どもの環境部はもう一生懸命、調査っをしていろんな形でやるんですけれども、限界があるもんですから、ある意味、全部調査をしてわかるという状況ではございません。基地の返還と同じように日米地位協定も、(日本政府を押しても米国政府を押しても)どこを押してもなかなか前に進まないというのがいまの現状です。

質問(英語):普天間を閉鎖して移すという話は私が小学生だった頃から出ていました。当時は辺野古が理想的だという話だったし、2013年には経済的理由などで辺野古の地元は賛成していたのではないか。いま、辺野古の地元のムードはどうなのか?もし地元の賛意が変わったというなら、どのような変化がおきたのか?辺野古でないなら、どこなのか?

翁長知事:前には地元の市長は賛成だったんではないですかというご質問ですが、先ほど私が講演でお話しした通り、2010年、7年前から稲嶺市長が、辺野古のある名護市の市長として7年前から反対しているんですね。いま2期目にはいっております。来年の今頃はまた選挙があります。また当選してもらわねばならないと思いますけれども、いずれにしろ、いまの市長さんは反対をしているわけでありまして、その意味からいうと沖縄県の民意はすべて3年前におこなわれた選挙において(知事選挙、衆参両議員選挙も含めて)辺野古基地についてノーだということになっております。



質問(日本語):辺野古の新基地建設に反対されるということなんですけれども、いったい具体的にどういう策が残っていると思われますか?知事は昨年、敗訴なさいました。いま遺されている唯一の策は、辺野古、大浦の埋め立て承認撤回、という話が出ています。私も個人的にはそれがいいのではないか、しかし知事はそういう風には進まれていない、望まれていないように思うんですけれども、それはなぜなんでしょうか。お話をお聞かせください。

翁長知事:撤回の件についてはですね、地元紙にもいろんな方々がすぐやりなさいと、あるいは熟慮してやりなさいと、あるいはまた、じっくり構えてやりなさいというようないろんな意見がございます。

沖縄県は辺野古基地を作らせないというひとつの目的に向かってやっていくためには、まずは岩礁破砕許可というのが3月末にあります。これをどうするかということもございます。それから、岩国基地でも設計変更、そういったことを8回行なわれています。いままではこういう風に工事をしようと思ったけれども、こういう風にしますよという沖縄県から許可をもらわなければいけません。名護市にも許可をもらわなければなりません。そういったような方法がひとつチェックとして効きますので、私たちは客観的にしっかりと判断をしてこの問題に対処していきたいと思っております。

撤回という話なんですが、いま新聞紙上などであるものは、私共の考え方を全部赤裸々に話をしないとですね、あなたのようにご理解がいただけない。戦術というものはいろいろ考えながらやっていかなければならない問題ですから、政府でさえ言わないのに、いまいったような形で沖縄県はこうしよう、ああしようなどという話は、これは言えません。

ですから、私はいま申し上げている方向で新辺野古基地は作らせない、そしてアメリカの上院・下院議員の方々には「順調にいったって10年から20年かかるんですよ(埋め立てだけで5年、そのうえの構造物を作るのにさらに5年から10年かかる。その間に日米関係、日中関係、米国とロシアの関係も変わるだろう。どこを相手にした基地にするんだ)」というような話もしながら、何をするというようなことについてはですね、私共は一生懸命やっておりますけれども、それをあなた方がそうなんだというようなもの(ああなんだ、こうなんだという形で)で話をすることはできません。

ですから、私たちの基本的な姿勢というものをぜひご覧になる中から、さあどうするんだというものにさせていただきたいと、そういう風に(考えております)。

質問(英語):トランプ政権に何をのぞむか。これまで米軍の基地があることで地域の安定化が進んできたではないか?なぜ、米軍を引き上げさせたいのか、第一の理由を聞きたい。

翁長知事:先ほど講演でも申し上げたんですが、日米安保体制というものは日本国民全体で考えてもらいたいといってるんですよ。

0.6%ですよ、日本全体の(面積の)0.6%、それも東京と同じくらい人口密度があるところにあれだけの70%の米軍基地があるんです。

これは賛成と反対の問題じゃないんです。もういやだといってるんですよ。半分以上はもっていってくれ、どっかに。それなら私も我慢しますよ、といっているんです。

あなたがおっしゃるのは、なぜ安保体制は重要なのに沖縄は基地に反対するんだというんですけど、あなたのところで70%も基地をあずかったら、おわかりになると思いますよ。ひとつのところにこれだけ押し込めておいて、少女暴行事件から、ジェット機が墜落したなど、5000件あったんですよ、戦後、強姦とか殺人だけでも500何件あるんですよ。

こういうようなことが沖縄だけに集中的に行われていて日米地位協定では人権も守られていない、こういう状況をほったらかしにしておいて、沖縄で基地反対するのは世界の平和のためにどうなんだというようなことをいうのはですね、そんな悠長な考え方は沖縄にだけ押しつけてはいけません。みんなで考えなければいけない。端的にいうとそういうことです。





2 件のコメント:

  1. 翁長知事の発言は、沖縄県民の大多数の意見(保革を問わず)を反映していると思います。辺野古新基地建設阻止の目標は、沖縄にこれ以上の基地を造らせない、さらに沖縄の基地を減らし、ウチナーンチュの手に沖縄を取り戻すことを意図しています。翁長知事の本気度は、安倍首相や中谷前防相に対して「あなたたちは能面のような顔で沖縄に基地を押し付ける。後20年30年、永遠に沖縄を基地の島にしようとしている。沖縄はそれは拒否する。」と宣言した。翁長知事はすべてを賭して沖縄のために闘う決意を示している。私はそう思います。だから、翁長知事を支えるために私ができることを徹底して実践していきます

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  2. 質問です。この記者会見の内容を私のHMに引用してもよろしいでしょうか。
    私のHMは以下のとおりです。
    福地行背書士事務所
    http://www.office-fukuchi.jp/

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