2017年2月27日月曜日

みんなのプロテスト No to トランプの横暴(2)広告業界は市民の味方?

Feb 26, 2017
84 Lumber

アメリカを熱狂させるスーパーボウル。プロフットボールリーグNFLが毎年2月の第1週目の日曜に開催する優勝決定戦ですが、毎年テレビスポーツ界の一大イベントになっており、51回目を迎えた今年もアメリカでテレビを持つ家の7割がチャンネルを合わせ、試合中の平均視聴者数は1億1130万人(ニールセン調べ)にも及びました。今年はテキサス州ヒューストンでの開催だったのでブッシュ・パパ老夫婦が登場したり、海外派遣されている兵士たちが映ったりでナショナル色濃厚なのはいつもながらとはいえ、げんなりです。





でも、面白かったのは番組に登場したCMです。スーパーボウルのCMは、フットボール興味ないけどCMだけは見るという人たちも大勢いて、広告業界の一大イベントであり、視聴者が多いことから広告出稿料金も破格。今年は、30秒につき500万ドル(約5.8億円)にも上りました。

面白いのは、このCM枠をスポンサーがどんなメッセージに使ったかです。フットボールのファンなんて、政治は嫌い、好きでもすっかりトランプ・ファンと一見、思ってしまいがちですが、多様な人たちに支持され、ものを買ってもらいたい企業です。皮肉を大盛りにして「斬新」とも呼べるけれど、あさはかな思い付きで弊害どっさりの方針と政策を次々と打ち出して、「アメリカとは何か?」を改めて問い、国を揺るがしているトランプ政権。スーパーボウルの広告は、人々のいま最大の関心をすくいあげて、企業がここまで!と思わせるほど、政治的・社会的色合いの濃いものになりました。







が、そのいずれも、人種や民族、信条の違いを超えたアメリカを改めて称える姿勢を表明するものばかり、なのです。中でも、幼い娘を連れてアメリカへの国境超えをめざすラティーノの母親の姿を温かく描いた84 Lumber は、オリジナル版が放送局FOX TV局からオンエアを禁止されたこともあり、大反響を呼びました。また、創業者のドイツからの移民の旅を描いたBudweiser、難民への短期無料滞在を応援する民泊のAirbnbなど、一部反発も受けましたが、その姿勢、作品の仕上がり、ともども高い評価を得ました。





84 Lumber はペンシルバニア州の材木などハードウェアの会社。中南米のどこかからの母と娘が苦難の旅をしてやっと国境にたどりついたら壁がたちはだかっていた。絶望しそうになりますが、壁の一部で木の扉が作られていてそこから晴れて入国ができるというハッピーエンドになっています。同社もBudweiserの会社もオンエア直後は抗議の声がどっさり届きましたが、1晩か2晩たってからは支持の声がはるかに上まわるようになり、大多数が企業姿勢を支援し、両者ともCMは成功したと報告しています。





トランプ騒動にひと味違ったコミカルなアプローチをしたのが、ヘアケア・メイカーのIT’S A 10 HAIRCARE。なんとも独特なヘアスタイルが選挙戦中から話題だったトランプを名指しはせずにやり玉にあげ、「さあ、これから4年間は、変なヘアが続きます。あなたはどうします?」と美しいモノクロ映像でユニークなヘアの人たちを次々に映し出し、笑いを呼びました。




車の広告がさまざまな切り口で活躍したのも、今年の特徴でした。コメディアンのメリッサ・マッカーシーを起用したKIAのCMでは環境保護の活動にかけまわるメリッサが、燃費の良いKIAの車を選ぶのが環境保護には最適と気づくまでをスラップスティック風のスピーディなコメディに仕立てて、恒例のUSAトゥデイ紙のスーパーボウルCM人気投票「アドメーター」で第1位に人気に輝きました。ストレートなトランプ批判ではありませんが、地球温暖化の問題を強調したことは、現政権下で重要です 。




3位のAUDIは、娘を見守る父親のモノローグを通して職場での男女同一労働同一賃金を訴えるなど、いずれも車自体よりも社の姿勢を印象深く提示することで高い人気と評価を得ました。

これが、トランプ政権発足直後のテレビでの企業PRの風潮です。いずれもYOUTUBEに載り、ものによっては1000万単位のビューを得ています。

来年のスーパーボウルでトランプバンザイの姿勢に変わっていないことを心底、望み、ものを売るためという理由でいいから市民を脅かす側につかないよう企業の動きを見守りたいと思います。

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