2017年5月6日土曜日

米NSAに貢ぐ日本

May 5, 2017



三沢の米軍基地の監視で、中東と北アフリカの全域でインターネットにアクセスする人の現在地がピンポイントでわかるんだ、って。

4月24日、NHKの「クローズアップ現代」が、スノーデンの「日本ファイル」を特集した日、情報源の『インターセプト』も、アメリカで独自記事を出しました。題して「グローバルな監視を拡張したNSAと日本の秘密取引の数々(Japan made secret deals with the NSA that expanded global surveillance)」。

アメリカが日本の基地を使って、いったい何をしているのか。「クローズアップ現代」を超えより詳細な情報が展開されています。日本はほんとにカモネギ状態。アメリカの世界制覇戦略にかいがいしく「ご奉仕」しているようすがよーくわかります。長い記事なので、ごく一部を抜粋してざざっと翻訳してみました。  



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【三沢】

三沢の米空軍基地では、「三沢安全保障オペレーションセンター」と呼ばれる場所で、米NSAは、LADYLOVE というコード名のミッションを行っている。大きなゴルフボールのような形の白いドームの中で10数本の強力なアンテナを使いアジア太平洋地区の人工衛星を通して送信されるコミュニケーション(電話、ファックス、インターネットのデータ)をごっそりキャッチしている。

2009年3月頃すでに、三沢は16の衛星をターゲットにし8000を超えるシグナルの監視を行っていて、当時のNSAのスローガン「すべての収集(Collect it all)に向けてもう一歩」に迫っていた。

日本でのNSAの活動は、中国やロシアなど近隣国の通信監視に限定されない。NSAは三沢に、APPARITIONとGHOSTHUNTERとよばれるプログラムを配備しており、中東と北アフリカの全域でインターネットにアクセスする人の現在地をピンポイントで示すことができる。

NSAの英国基地Menwith HillにもGHOSTHUNTERが配備されているが、NSAはこのプログラムにより「テロリスト容疑者」への数多くの「殺害または捕獲」が可能になり、殺害攻撃の実施を容易にしたと述べている。

2008年11月のある文書によると、三沢はアフガニスタンとパキスタンでのテロ疑惑者の追跡に特に有益なことが証明されたとし、インドネシアにいるターゲットを特定する試みにも使用されている。

ハッキングも三沢でNSAが行う作戦に加えられている。そのひとつQuantum Insert と呼ばれている攻撃には、監視対象者がどのようなネット・ブラウジングをするかを事前に監視し、悪意のある(malicious)ウェブサイトやサーバーに導いて対象者のコンピューターを「インプラント(埋め込み)」に感染させるのだ。このインプラントは感染したコンピューターからデータを収集してNSAが分析できるようデータを送るようになる。

【横田】

横田の米空軍基地は、NSAのEngineering Support Facility の本拠地で、世界各地の監視活動に使われる装備を供給している。2004年にNSAはフットボール場の半分くらいもある、3万2000平方フィート[約3000平方メートル]の主要な建物を新設した。この施設は、監視用アンテナの製造・修理に使われる。アフガニスタン、韓国、タイ、バルカン半島、イラク、中南米、キプロスなどで使われるアンテナだ。

建設費660万ドルのほとんどすべては、日本政府が支払った、と2004年7月のNSAレポートは報じている。同レポートによると、日本はスタッフの人件費も出しており、7名の設計者、機械オペレーター、その他の専門家のサラリー、まとめて37万5000ドルを日本から受け取っている。

【沖縄】

NSAの沖縄の地域本部は海兵隊基地「キャンプ・ハンセン」にも置かれている。沖縄には、2000年代初頭に最新鋭の監視施設が建設されたが、建設費約5億ドルはすべて日本が支払った。この施設は、海兵隊が以前、ジャングル訓練に使用していた「木がうっそうとしげった丘陵地帯」をえぐった「オストリッチ着地帯」に作られた。

施設には諜報ミッション用の「アンテナ・フィールド」が設置されているが、周囲の風景にとけこんで目立たないよう意図された。以前、NSAが沖縄に維持していた諜報ハブは住民の反対にあい撤去されたが、これはそれにかわるものだ。この遠隔監視ステーションは、STAKECLAIMと呼ばれるミッションの一環を担い、高周波の通信を収集する。

NSAの沖縄駐在従業員の数は少数にしぼられているようで、この沖縄の施設は、ハワイにある「24時間体制の収集活動センター」が遠隔運営している。

【日本の出資】

元日本政府のデータ保護担当官だったHiroshi Miyashita は、『インターセプト』の取材に応じ、「アメリカの諜報活動への日本の資金提供は、国家秘密法により国民の目にふれないようにされている。我々、日本国民の税金なのに」と批判した。


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