Oct 21, 2018
10月 21 日に行われた、 Women's March on the Pentagon 。女の人たちが集まってペンタゴンに反戦のデモをし、男たちも参加歓迎。ワシントンに来られない人は、各地でイベントを仕掛けてね、という全米的呼びかけだった。
正直、反戦運動は、アメリカでいま、あまり元気がない。ワシントンでの集会を 1 年がかりで仕掛けたシンディ・シーハンが、最近ワシントン・ポスト紙に苦い思いを書き綴っていた。
イラク戦争で兵士として従軍していた息子を亡くしたシンディ。時のブッシュ大統領に一度は会ったけれど、イラク戦争を起こした義をとても納得できず、再度、問い詰めたいとブッシュのテキサスの牧場近くに乗り込んで野営して立ち去らず、反戦運動のシンボルとなった。当時から支援者も多かったが、風当たりも強烈だ。
「アメリカが追い求める自由という理想を邪魔立てをするな」とか、ま、言ってしまえば息子を大切なお国に捧げたと思っておとなしく泣いていればかわいいものを、国にたてつく厄介なトラブルメイカーめという反応も少なくなかった。
そんな中、戦争の非は認めなかったものの、息子を失った母親としてのシンディの気持ちはよくわかると、発言したブッシュは、実は結構、いい奴だったのではという反応が、いまでは強い。だってトランプなんて、夫が戦闘で殉死したばかりで悲嘆にくれた遺された妻に向かって、「兵士になった以上、死ぬ覚悟はあったんじゃないか。でも、ま、気の毒」みたいな無神経なことを口にし、さすがにメディアで総すかんをくった。
が、シンディに言わせれば、そんな言い草は、自分もさすが大統領からはなかったが、いくらでも浴びた。ブッシュもトランプもオバマも、非道な戦争に血道を上げた、結局は同じ穴のむじな。苦い思いをたくさんなめて、シンディは揺るがない。戦争にまい進するアメリカを真正面から斬る。
March on the Pentagonの原点は、 51 年前、 1967 年。ベトナム戦争のさなか、その年の 10 月 21 日に、ワシントンのモールに集合した人々がペンタゴンまで 3 時間をかけて反戦デモをしてそのまま立ち去らず、州兵や憲兵隊と対決した。 23 日まで 3 日間にわたる攻防。大勢の逮捕者を出した。当時の全米をゆるがした反戦の気運は、いまはない。それでも。
だが、今回、なぜ、「女たち」の行進なのか。気鋭のウェブマガジン、「ミント・プレス」の記事で、シンディがその理由を語っている。
昨年、 Me too 運動の盛り上がりの中で行われたウィメンズ・マーチ。ピンクのプッシーキャット帽がワシントンを埋め尽くした女たちの一大社会イベント。でもシンディは、中心人物となった女性リーダーのひとりから、今回のイベントは戦争の話は抜き、と釘をさされたという。
なぜそうだったのか?話を複雑にし、分断を招きやすい政治問題を抜きにして、個人間のセクシュアル・ポリティクスの話にしぼりたかったのか?記事には詳細はかかれていないけれど、シンディは反発を覚えた。女たちを苦しめる暴力の問題を問うなら、戦争を外すなんてできないはずだと。それが、 Women's March
on the Pentagon の企画の原動力のひとつにもなった。
ワシントンでの集会は、ペンタゴンシティからペンタゴンまで 15 分か 20 分くらいのデモだったけれど、いつもはデモしたり、撮影したりが許されないペンタゴンの敷地の中を堂々と辺野古基地反対バナーを手に歩きまわれる Shizu さんの感激はひとしお。
ベテランズ・フォー・ピースやコード・ピンク、グリーンパーティ、レイジング・グラニーなどの知り合いが勢ぞろい。目立つバナーをもっているので、なんだなんだと、人がよってきて新しい知り合いもできる。ベテランズ・フォー・ピースの人たちですら、最近の動きを把握してないところがあって、安倍政権の圧政的・沖縄差別的めちゃくちゃ、沖縄の数々の選挙で改めて明らかにされた民意などゴミにように無視して土砂投入開始を虎視眈々とねらい進めているといまの大変な状況を説明し、デニーさんがアメリカに来て反戦・平和団体との連携を願っていると話すと、おお、そうか、と支援ギアアップの意欲をみせてくれる。
集会参加は、アメリカや世界の人たちと共に戦争反対の声をあげるだけでなく、アメリカの有力な反戦・平和団体のリーダーたちに面と向かって現状を訴えることができるロビー活動の場、聞いてもらえたという手ごたえを実感できる場でもある。
というわけで、 沖縄の皆さんへのビデオメッセージもいただきました。
VIDEO
メッセージをくださった方々
*シンディ・シーハン:反戦アクティビスト。イラク戦争で従軍中の息子を失った
*ジル・スタインは、政治活動家。2012年、2016年大統領選挙でアメリカ緑の党の大統領候補となった。
*アン・ライトは、元アメリカ外交官・退役陸軍大佐。2003年、アメリカのイラク侵攻に抗議して辞職した国務省高官のひとり。世界を飛び回り、平和を求める元軍人の会、コードピンクはじめ、数々の反戦・平和団体で活躍するアクティビスト。
*メディア・ベンジャミンは、コード・ピンク共同設立者
*マシュー・ホーは、元国務省職員。2009年、米政府のアフガニスタン戦略を批判して辞任。米海兵隊の大尉としてイラク戦争に従軍した経歴を持つ。
*タラク・カウフは、反戦・社会正義アクティビスト。平和を求める元兵士の会(Veterans for Peace)のメンバー
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