2016年4月9日付「ジャパンタイムズ」に掲載されたジョン・ミッチェル氏の記事を(ミッチェル氏の同意を得て)急ぎ翻訳しました。
英語原文は、ここ
汚染:嘉手納空軍基地の汚れた秘密:
米情報公開法による公開文書 在日米軍基地での大規模汚染をはじめて明らかに
ジョン・ミッチェル
2016年4月9日
沖縄本島の中心に位置する嘉手納空軍基地は、アジア最大の米空軍軍事施設だ。
長さ3.7キロの滑走路2本、数千戸もの格納庫、住宅、作業場を備えたこの基地の広大な敷地は、隣接する弾薬庫と合わせて46平方キロを占める。基地で勤務し、居住する米国軍人、軍属、その家族は2万人を超え、日本人雇用員は3000人を数える.
嘉手納空軍基地には、米空軍最大の空団「第18航空団」が配属され、過去70年間にわたり、朝鮮・ベトナム・イラク各戦争で出撃基地として重要な役割を果たしてきた。
嘉手納空軍基地の長い歴史とひとつの市がすっぽりはいる規模からも、この米空軍基地が「太平洋の要石」と呼ばれる理由は、一目瞭然だ。
だが、この基地が、周辺地区の環境と住人に及ぼしている損傷を明確に理解することは、これまで誰にもできなかった。米情報公開法に基づいて入手した文書が、長年にわたる事故と過失により、基地の土地と水が砒素、鉛、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、アスベスト(石綿)、ダイオキシンなどの有害化学物質で汚染されてきたことを明らかにする。米軍当局者は、汚染を隠蔽し、自国の軍人と周辺地区に住む18万4000人の住民の健康を危険にさらしてきたのだ。